
コロナ禍で人との交流は一変した。仕事関係の付き合いよりも、家族と一緒に過ごしたり、自分の趣味に没頭したりすることに時間をかけたいと、優先順位が変わった人もいるだろう。一方、オフィス再開に向かう中で「今度お茶でも」「近況報告がてらランチをしませんか」といった気軽な誘いが増えるかもしれない。つい「了解」と答えてしまいがちだが、本当にそれでいいのだろうか。いまは、自分の時間の使い方をリセットするまたとない機会だ。本稿では、自分の優先順位を守り、友好的な関係を維持しつつも、自分の気持ちに正直になって、相手からの依頼や誘いを断る方法を紹介する。
以前のような交流をしなくなってから1年が経ち、自分がこれまで思っていたよりも内向的な人間で、仕事関係の付き合いよりも家族と一緒に過ごしたり、趣味やディープワークに時間をかけたりするほうが好きなことに気づいた人も多いのではないだろうか。
それは何ら問題ない。新型コロナウイルス感染症のパンデミックから、ワクチンを接種して外に出始める人が増えている移行期のいま、誰もが自分の時間の使い方をリセットする、またとないチャンスを目の前にしている。
だから、しぶしぶ人と会う約束をしたり、乗り気ではない予定を無限に先延ばししたりする以外にも、選択肢があることを知っておこう。
もちろん、人に誘われた時点で了解する、あるいは「バタバタしているので、数週間後でもよろしいですか」などとやんわりお茶を濁すほうが、きっぱりと断るより気が楽かもしれない。それでも罪悪感が募り、仕方なく会うことにはするが、友好的な関係を維持しつつ正直に断る有効な方法があったら、と思うかもしれない。そうした方法は存在する。
人は人と接する中で、さまざまなことに順序をつける。つまり、自分が実際に求めていること(上記の場合、相手の誘いをパスしたいこと)や自分自身に対する感じ方、相手の自分に対する印象などだ。時には、その優先順位が重なることもある。
だが、心配は無用だ。誘いを断っても、自尊心や相手との関係を保つことはできる。その方法を教えよう。