「顧客が王様」の時代が到来した
編集部(以下色文字):いま世界にはどのような変化が起きているとお考えですか。ムーアさんのおっしゃる「新たな波」について教えてください。

ジェフリー・ムーア
ジェフリー・ムーア・コンサルティング マネージングディレクター
米国の組織理論家で経営コンサルタント。破壊的テクノロジーがビジネスと組織運営に与える影響と企業が取るべき戦略をテーマに、著述と講演を続け、スタートアップと大企業の双方に助言をしている。著書『キャズム』(新版は翔泳社、2002年)は100万部を超えるベストセラーになった。ほかにも、『トルネード』(海と月社、2011年)や『ゴリラゲーム』(講談社、2001年)、『企業価値の断絶』『ライフサイクル イノベーション』『エスケープ・ベロシティ』(ともに翔泳社、2001年、2006年、2011年)がある。近著『ゾーンマネジメント』(日経BP社、2017年)では、スタートアップ側ではなく大企業が破壊的変化にどう対抗するかを描いている。
ジェフリー・ムーア・コンサルティング マネージングディレクター
米国の組織理論家で経営コンサルタント。破壊的テクノロジーがビジネスと組織運営に与える影響と企業が取るべき戦略をテーマに、著述と講演を続け、スタートアップと大企業の双方に助言をしている。著書『キャズム』(新版は翔泳社、2002年)は100万部を超えるベストセラーになった。ほかにも、『トルネード』(海と月社、2011年)や『ゴリラゲーム』(講談社、2001年)、『企業価値の断絶』『ライフサイクル イノベーション』『エスケープ・ベロシティ』(ともに翔泳社、2001年、2006年、2011年)がある。近著『ゾーンマネジメント』(日経BP社、2017年)では、スタートアップ側ではなく大企業が破壊的変化にどう対抗するかを描いている。
ムーア(以下略):工業製品が主役だった時代から、デジタルサービスが主役の時代になりました。
20世紀は、製造業のビジネスモデルが主流でした。その中心は製品です。製品をほしがる顧客が十分にいたため、製品中心に考えていれば済む時代でした。
よりよい製品を、より早く、より低価格でつくればよかったのです。それはテレビや電話、服など何もかもです。「製品こそが王様」という状況にありました。そのため、企業はサプライチェーンの改善に取り組みました。そしてこのモデルは全世界に広がり、中国やインドを国際経済に引き入れました。