
政府のみならず、企業が環境問題や社会問題の解決に貢献することも不可欠になった。なかでも気候変動は世界中で多くの悲劇をもたらしており、喫緊の課題である。『グリーン・トゥ・ゴールド』の著書で知られるアンドリュー・ウィンストン氏が、2019年に起きた8つのポジティブな出来事と、2020年に期待される取り組みを紹介する。
何年か前から、私は年に1度、持続可能性とビジネスにおける動向(つまり企業が環境問題や社会問題とビジネスチャンスをどう管理してきたか)をまとめてきた。なかでも毎年必ずテーマに含めてきたのが、気候変動だ。
だがいま、気候変動は年に1度のニュースではなくなった。昨年の異常気象とその悲劇的な影響――欧州は記録的な猛暑となり、メキシコでは6月にひょうが降り、ネブラスカ州で記録的な洪水が起き、オーストラリアの森林火災は終息する気配がなく、モザンビークは史上最強のサイクロン、バハマは巨大なハリケーンに襲われた――は、ショッキングだが、もはや珍しいものではなくなった。
少なくとも近い将来、気候変動はあらゆる事件の背景情報として、ずっとトップニュースの扱いを受けるだろう。しかし2019年は、この問題で世界の受け止め方に重要なシフトが見られた。そこで昨年、持続可能性の領域で起きた8つのポジティブな変化をまとめておこう。