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企業が投資家にも社会にも大きな恩恵をもたらすには、持続可能な価値を重んじて、株主だけでなく、すべての利害関係者を尊重する必要がある。こうした考え方は広がりつつあり、多くの企業が自社のパーパスを表明しているものの、その高邁な言葉を履行する義務を負っているわけではない。本稿では、パーパスを実践するために必要な3つのステップを紹介する。


 最近は、有力な機関投資家が企業の社会的責任(CSR)の重要性を認めたり、米国の主要企業で構成される有力財界団体のビジネス・ラウンドテーブル(BRT)が声明を発表し、「すべての利害関係者のために価値を創造すること」こそが企業のパーパス(存在意義)であると宣言したりする時代だ。パーパスは、企業のあり方をめぐる議論で主流の考え方になったと言えるだろう。

 社会全体と多様化した投資家たちに最も大きな恩恵をもたらせるのは、持続可能な価値創出を重んじ、すべての株主(ストックホルダー)ではなく、すべての利害関係者(ステークホルダー)の正当な利害を尊重する企業である――いま、このようなコンセンサスが広がりつつある

 しかし、こうした理念を現実に変えるには、どうすればよいのか。