ビジネス・ラウンドテーブルは、米国の主要企業が名を連ねる財界ロビー団体である。彼らが2019年8月19日に発表した声明は、ビジネス界に大きなインパクトを与えた。企業経営の原則とされていた「株主資本主義」を批判し、「ステークホルダー資本主義」への転換を宣言したからである。企業は自社の利益の最大化だけでなく、パーパス(Purpose) の実現も目指すべきだという姿勢を表明したことは、注目に値する。


 ビジネス・ラウンドテーブル(BR)が、「企業の目的に関する声明」と題された公開書簡を発表したのは8月19日のことだ。

 BRはアップルからウォルマートまで、米国の主要企業が名を連ねる財界ロビー団体である。企業トップ181人の署名が入った声明は、次のように締めくくられていた。「どのステークホルダーも不可欠の存在である。私たちは会社、コミュニティー、国家の成功のために、その全員に価値をもたらすことを約束する」