
Anton Petrus/Getty Images
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ESG(環境、社会、ガバナンス)の重要性がますます高まる中、企業、投資家、株主は、ESG活動とその影響を数値計測するための手法を確立することに積極的だ。客観的な指標があれば、意思決定を下しやすくなるだろう。しかし、現時点で数値化できる範囲はあまりに狭く、あくまで一部分に焦点を当てたにすぎない。また、社会システムと環境システムの複雑さを数値化すること自体に限界があり、指標に囚われると本来の目的を見失う危険性がある。本稿では、ESG活動の計測が生む誤解を明らかにし、真に有効な対策を講じるための3つの方法を紹介する。
現在、世界全体でプロフェッショナルが運用を担っている金融資産の3分の1、金額にして約30兆ドル相当がESG(環境、社会、ガバナンス)の基準を満たす投資対象で運用されている。これは、目を見張らされる金額と言ってよい。
この金額は、2016年に比べて30%以上増加している。しかも、ESG関連のエクイティファンドに流れ込んだ資金は、2020年の4月から6月の間だけで700億ドルを突破した。この金額は、ここ数年の年間の金額を上回る。