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新型コロナウイルスが中国のみならず、世界中で猛威をふるっている。全貌把握が困難で刻々と状況が変わるため、すべての企業が手探りで対処せざるをえない。その中で、この危機に迅速かつ的確に立ち向かえている企業と、対処が後手に回る企業との間に大きな差が生じている。本稿では、新型コロナウイルスへの対応はもちろん、将来を見据えた万全の備えを行うための12の教訓が示される。


 新型コロナウイルス感染症(Covid-19)に関連する危機は、いまや新たな重要段階に突入した。最近では中国以外にも感染が広がり、それらの発生地における拡大を食い止めるために、公衆衛生システムが決然とした措置を取る必要に迫られている。

 当然ながら、重点は感染症それ自体の広がりを抑える一方で症状を緩和することにあり、それが望ましい姿だといえる。ただし経済への影響も甚大であり、急展開に直面した多くの企業は状況の理解や対処に努めるほか、教訓を引き出すべく、手探りで前進している。事態が新たな局面を迎えるつど予想外の紆余曲折が生じると想定され、全貌は後からでなければ把握できそうもない。

 にもかかわらず、企業ごとに準備態勢に天と地ほどの開きがある現状、さらなる混乱の恐れ、将来の危機により万全の備えをする意義を踏まえると、これまでの状況から学ぼうとすることには価値がある。

 筆者らは現在も世界中のクライアントのために分析や支援を行っており、この経験をもとに、刻々と変化する状況への対処、コミュニケーション、知識の吸収と応用に関する12の教訓を引き出した。以下、それらを紹介する。