
Daniel Grizelj/Getty Images
-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
中国が貿易で大きな存在感を示してきたことは、周知の通りだ。しかし、中国が国際金融に果たしてきた役割は、未知の部分が多い。そもそも、公的なデータが残されておらず、透明性が欠如しているからだ。筆者らが数年がかりで調査した結果、中国の途上国融資の50%以上が報告されていないことが判明した。本稿では、中国マネーへの依存による「隠れ債務」と「隠れリスク」の存在を明らかにする。
世界の貿易で中国が果たす役割については、これまでにも大きな話題になってきたし、政治的な論争を巻き起こしてきた。しかし国際金融における中国の役割については、はっきりしない部分が多い。その最大の理由は、データと透明性が欠如しているためだ。
過去20年間に、中国は世界最大の融資国の一つとなり、融資残高は世界のGDPの5%超にも相当する。そして、こうした融資のほぼすべてが、公的な融資、つまり中国政府か国有金融機関によるものだ。