
完璧主義によるさまざまな弊害が指摘されている。何でも一人でやろうとして、常に求められている以上の成果を上げようとする姿勢では、物事の優先順位を見誤り、生産性の低下を招くことがある。本稿では、完璧主義者が犯しやすい3つの過ちと、その解決策を紹介する。
生産性において重要なのは、「どれだけ」仕事をしたかではなく「どんな」仕事をしたかである。完璧主義の人は、以下の3つの傾向によって、タスクに優先順位づけする能力を、みずから妨げている可能性がある。
(1)「重要でない決断」があることを認めたがらない
重要でない決断については、即決するか、外部に委ねるべきだと一般的に言われている。
だが完璧主義者は、決断が重要でないと判断することが、なかなかできない。何でも自分でコントロールしたがる。その理由は、自分が完璧でないことが、他の人よりも我慢できないからだ。万一、何かうまくいかないことがあった場合、悔しさのあまり爆発したり、無視できないほどのいら立ちを覚えたりする危険があるため、それを回避したいのである。
マイクロマネジメントが当たり前になっている完璧主義者の中には、さして重要ではない決断もあるという事実に気づけない人がいる。その発想すらないのだ。何でも全力で取り組まなければいけないものと、習慣的に、自動的に判断している。
●解決法
現代人の生活は、強度な決断疲れを起こしやすい。完璧主義者は、決断の重荷から解放されたときの快感を意識するようにすると、一部の選択に対するコントロールを喜んで放棄できるようになる。
完璧な決断ではなく、押しなべてほどほどの決断を素早く行うために、経験則を使うか、人に委ねよう。たとえば、私の経験則の一つは「やろうと3回思ったことは、それ以上悩まずに決行する」だ。このツイートにある決断マトリックスが参考になる。