Daniel Day/Getty Images

不正や不祥事が起きると個人の資質が問題にされがちだが、実際には組織風土に問題があるケースが多い。筆者らによる調査の結果、従業員の4人に1人が、悪いとわかっていることを強いられるプレッシャーを経験したと回答した。非倫理的行為が発覚して公になれば、企業は大打撃を受けることになる。それを防ぐために、リーダーには何ができるのか。


 非倫理的な行為は時代や地域を問わず、あらゆる分野のあらゆる種類の組織で行われている。

 米陸軍の兵士とCIA(米中央情報局)の職員は、イラクのアブグレイブ刑務所で捕虜を虐待した。フォルクスワーゲンの経営陣は、排出ガス規制を不正に逃れた。ウェルズ・ファーゴは数百万件の銀行口座を顧客の承諾なしに開設するなどの不正営業行為で30億ドルの罰金を支払い、刑事訴追を回避した。