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新型コロナウイルス感染症の拡大により、私たちは前代未聞の不確実性に直面している。先の読めない状況に萎縮して無力感にさいなまれる人もいれば、チャンスを見出し前進できる人もいる。その違いはどこにあるのか。筆者は、深刻な困難を乗り越えられる人の共通点として、不確実性を「フレーミング」する力を指摘する。


 友人が経営するレストラングループは最近、交通機関のストライキのために1ヵ月も空席だらけの時期を経験した。そこに新型コロナウイルス感染症(Covid-19)が追い討ちをかけ、彼の店は営業停止に追い込まれた。

 もちろん彼だけでなく、世界中の企業が同じような状況に直面している。私たちは皆、混乱と現在のパンデミックの間で、前代未聞の不確実性に直面している。

 筆者はこの2年間、不確実性に対処する能力を身につけるにはどうすればいいのかを研究してきた。パニックやリスクを見て萎縮してしまうのではなく、先の読めない状況に可能性とチャンスを見出す能力はどこから得られるのか。

 そこで、イノベーターや企業の創業者、CEO、ノーベル賞受賞者の話を聞き、彼らが未知の世界をナビゲートする方法をどうやって学んだのか聞いた。また、救急隊員やギャンブラー、サーファー、スタートアップ投資家など、日常的に未知の状況に対処している人たちのことも調べた。

 そこでわかったのは、先の読めない状況に対処する能力は、生まれながら持っている場合もあるが、多くの場合、学習して身に着けられることだ。

 この能力を身につけた人は、よりクリエイティブで、より大きな成功を収め、不確実性を可能性に変える能力が高い。彼らが駆使する対処メカニズムは複数あるが、筆者はその一つを、友人のレストラングループオーナーに知らせたいと考えた。