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ビジネスの世界で「アジリティ(敏捷性)」という言葉をよく耳にするようになったが、実際の行動をイメージするのは容易ではない。筆者は、バレエダンサーはアジリティを体現する存在だと主張する。本稿では、経営者がバレエから学べる、アジリティを高めるうえで重要な4つの資質を紹介する。
すっかりマネジメントの流行語になった「アジリティ(敏捷性)」だが、実際にどのような意味だろうか。
エグゼクティブにアジリティについて語っている私が、この概念と出会ったのは、マネジメントの研究を始めるずっと前のこと。ダンサーを志して、バレエを習っていたスタジオだった。
若いダンサーは誰もがアジリティを目指す。ミハイル・バリシニコフの跳躍、ジュリー・ケントの回転、ルドルフ・ヌレエフのグリッサードのような敏捷な動きを。
いまはバレエスタジオとは別世界にいるが、バレエに必要な資質の多くは、ビジネスの経営にも当てはまる。すなわち、体幹の強さ、焦点を素早く変える敏捷さ、究極の柔軟性と動きの幅広さ、そして、自分が進みたい方向がわかっていることだ。