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「こんまり」こと近藤麻理恵氏による片づけ法が、世界中で注目を浴びている。家の中を片づけられない多くの人々を救ってきたが、整理整頓に苦戦しているのは企業も同じだ。2度と活用されることのない「ダークデータ」を大量に溜め込み、そのまま放置していないだろうか。こんまり流の片づけ法は、企業がこの問題を解決する際にも役立つ。
「高校の卒業アルバム、どこだっけ? どの箱にしまったのか忘れちゃった。その箱はどこ? ほかに何を入れた箱だっけ?」
あなたもこんな経験があるのではないか。整理整頓は誰にとっても簡単でない。だからこそ、近藤麻理恵の片づけ法が大人気になっているのだろう。
整理整頓が難しいというのは、個人に限った問題ではない。企業もデータ管理に苦労している。というより、企業のほうが問題の規模が大きく、求められることもはるかに多い。
大半の企業は長年の間に、数ペタバイトにも上る「ダークデータ」を蓄積している。ダークデータとは、通常のビジネス上の活動を通じて蓄えられた古いウェブページのデータやメール、もう古くなってしまった顧客データなど、おそらく2度と活用されることのないデータのことだ。1ペタバイトのデータは、引き出し4本のファイルキャビネットで2000万台分の書類に相当する。
やり取りされるデータの増加ペースが加速し続けるなかで、法律や規制により、デジタルデータの管理に関して企業に求められることも増える一方だ。その結果として、いまデータの片づけは企業の最優先課題の一つになっている。
その点、家庭の片づけと企業の片づけを完全に同一視することはできないにしても、こんまり流の片づけルールは企業にとっても役に立つだろう。