Next Normalを読み解く5つのポイント
(1)チャネルのシフト
オンライン購入の増加、外食自粛、在宅勤務などに伴い、商品やサービスを購入・体験する場所が変わり、消費者の行動変化につながる。これまでリアルだったものがオンラインに移行するなど、チャネルのシフトが起きる。自粛が緩和されても当面続くだろう。
(2)価格意識の拡大
約4割の消費者がコロナによって自身が経済的影響を受けると考えているため、商品やサービスの価格に対する目線はより厳しくなる。価格意識の拡大が起こるのだ。
(3)ロイヤル顧客層の移動
3月中旬以降、最もよく使うスーパーを変えたと答えた人は約15%に及んだ。そのうち、3分の1が「変更先の店舗を今後も中心的に利用する」と答えている。新しいプライベートブランドを購入した人も同じく15%存在した。
これは短期間で、特定のブランドや店に対しての愛着心や来店頻度、支出が比較的高い「ロイヤル顧客」が移動したことを示しており、この層の移動は小売やメーカーにとって機会とリスクを同時にもたらす。
(4)在宅需要の定着
料理をすることが増えた人は19%に上り、オンラインフィットネスを始めた人は4%増加するなど、在宅での活動が活発化した。雑貨・家具・家電の購入意向増加も含め、今後「おうち時間」の充実を図るための消費が増え、同時に在宅需要が定着すると見られる。
(5)衛生意識の高まり
今後、買い物する店を決める際、「衛生環境や消毒・殺菌対応」が重要と答えた人は44%に上る。安心して買い物ができる環境を整備し、その衛生対策を視覚化することが客数を回復させるうえで必須となる。
新型コロナの影響で、十年単位で起こっていたような行動のシフトがこの数カ月で起こった。企業はこうした消費者の著しい変化を迅速に捉えることで、新しい機会を捉えるチャンスをいま、迎えている。
※マッキンゼーでは、COVID-19について最新情報を発信している。さらなる情報については「知見」「COVID-19:ビジネスへの意味合い」をご覧いただきたい。