危機の複数の段階を統率する

 リーダーにとって危機は、最高の状況にも、最悪の事態にもなりうる。

 チームは良いことも悪いことも含め、自分たちの行動と決断を長いあいだ記憶しているものだ。だから、危機の波をナビゲートするときは、その段階ごとに異なるアプローチが必要であると覚えておこう。

 その段階が、整然としたシーケンスとして訪れないこともあるだろう。それは流れが急変したり、スピードが変わったりして、チームの進行を妨げる波だと考えるといいだろう。

 あなたも最初は、最前線でリーダーシップをとることに成功するかもしれない。だが、緊急段階の数週間が過ぎたら、自分自身は一歩下がり、不可避的な退行段階をチームが乗り切るためのサポートにまわろう。

 この段階は困難をもたらすが、有用でもある。チーム内の衝突によって最も難しい疑問があぶり出され、新しい答えをもたらし、期待を現実的なレベルに修正することにつながるからだ。そのときに初めて、回復への道のりを考え、より強いチームと、より強い会社として危機から抜け出すことができる。


HBR.org原文:If You Feel Like You're Regressing, You're Not Alone, May 22, 2020.


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