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新型コロナウイルス感染症への対応や香港情勢をめぐり、米中の緊張感はいっそう高まっており、双方が態度を硬化させている。米国企業の幹部は、自社のチャイナ・リスクを理解して真剣に対策を練る必要がある。しかし、その実態を十分に把握できていない企業も多いだろう。本稿では、取締役会が中国との関わり方を検討するうえで有効な5つの問いを示す。


 米国のジミー・カーター大統領と、中国の鄧小平国務院副総理によって、両国が国交を樹立したのは1979年のこと。米中関係はいま、そのとき以来、最も緊張している。

 ここ数ヵ月、新型コロナウイルス感染症や香港情勢をめぐり、両国の態度は硬化してきた。ワシントンのエスタブリッシュメントの間では、40年近くかけて構築されてきた両国間の複雑なビジネス関係を「デカップリング(断絶)」すべきだと唱える声さえある。