
Yuji Sakai/Getty Images
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近年、各国のナショナリズム的な感情は顕著に高まっており、新型コロナウイルス感染症による危機は、その傾向に拍車をかけた。一方、多国籍企業の経営陣は、グローバリズムの恩恵を享受しており、難しい状況に置かれている。企業は、どちらか一方を選択しなければならないという考えを捨て、いかに両立するかを考えるべきだと筆者らは主張する。
長年にわたり、政府関係者やビジネススクールの教授、エグゼクティブは、グローバル化の恩恵を信奉し、確かな証拠で自分たちの主張を裏づけてきた。たとえば、国連のリポートによると、グローバル化と国家間の経済的な相互依存関係は、世界のGDPを2000年の50兆ドルから2016年には75兆ドルに増加させることに貢献した。
もう一つ重要な指標は、国境を越えた雇用機会の増加だ。移民労働者は2017年に推定4660億ドルを祖国の家族に送金している。グローバリズムの類義語は、「発展」「成長」「成熟」などだ。多国籍企業の経営陣はグローバルなマインドセットを持つように日々奨励されている。