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科学的管理法、競争優位、株主価値の最大化……いずれも20世紀の企業経営をリードしてきた代表的なマネジメント理論である。では、新しい理論はどこにあるのだろうか。残念ながら、まったく見当たらない。なぜなら、マネジメント理論が資本主義を拠り所に発展してきたからだ。資本主義そのものが重大な転換点を迎える中、こうした理論はみずからの「死」の問題と真剣に向き合う必要がある。


「新しいマネジメント理論はどこにあるのか?」――私は先日、企業経営者と研究者とジャーナリストが集まって仕事の未来について話し合った場で、マネジメントのトレンドをつぶさに観察している人物からこう言われたことがあった。

 これは、いまから数ヵ月前の話だ。その時点では、「未来」がこんなに早く訪れると予想していた人もいなかったし、このような「未来」が訪れると予想できた人もいなかった。