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感染症の世界的流行という危機は誰も経験したことがなく、それを乗り切るためのロードマップは存在しない。時間もリソースも限られる中で判断を下すには、自身のスキルと性格特性に依拠せざるをえない。では、リーダーたちの意思決定を左右した要因は何か。筆者らの調査により、3組のバイアスが影響を与えていたことが明らかになった。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって、リーダーは途方もないプレッシャーの下での意思決定を余儀なくされている。多くのCEOは「最高危機責任者」の役を担い、自社を確実に存続させようと努め、従業員の身体的、精神的、社会的な健全性を保とうと取り組んでる。
コロナ禍のような危機のためのロードマップは存在しないため、これまでCEOの対応は、自身がすでに持っているスキルと性格特性に依拠せざるをえない部分が大きかった。
彼らは意思決定にどんなバイアスを持ち込み、それらはどう影響したのだろうか。筆者らはそれを知りたいと考えた。
中国は、他の国々より何週間も早く新型コロナウイルス感染症を経験していた。このため筆者らは2020年2~3月にかけて、500以上の中国企業のCEOらを対象に調査を実施した。
その際、次の3点に注目した。CEOの経歴と企業の特徴、CEOが感染拡大にどう対応したか、そしてパンデミック後の未来に対する彼らの見通しである。
この調査によって、対を成す3組のバイアスが明らかになった。以下に、それぞれについて経営への示唆を説明し、リーダーがバイアスに対抗するための方法を示していく。