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従業員が情熱を持って働けていると、学習意欲が高まり、パフォーマンスの向上につながる。しかし、実際にそれができている人は少ない。従業員の情熱をどう高めるために、経営者やマネジャーは職場をどのように設計し、どんなコミュニケーションをとるべきなのか。


 情熱は、学びたいという強い意欲をもたらす。しかし、我々が米国人従業員を対象に2017年に行った調査によると、自分の仕事の専門性を真の意味で高めてくれるような情熱を職場で示している者は、全従業員の13%にすぎない。

 情熱を触発して学ぶことのできる環境は、どうつくるとよいのだろうか。また、その規模をどう広げて、巨大な組織の中でもうまく機能するようにするとよいのだろうか。

 我々はデロイト・センター・フォー・ジ・エッジで、パフォーマンス向上へと結びつく特別な情熱、すなわち「探検家の情熱」を持つ人に共通する3つの特性を突き止めた。以下に紹介しよう。

・特定の領域で自分の影響力を高めていくことへの長期的なコミットメント。特定の領域とは、たとえば銀行業、医療、ガーデニング、ビジュアルアーツなどである。

・探求心。新たな挑戦を求め、それを刺激的な学習の機会と見なす性質を指す。

・つながろうとする心。新しい挑戦への取り組みをサポートしてくれる人を、みずから探し求める性質を指す。

 今日のビジネス業界で、この種の情熱を目にすることはめったにない。しかし我々の研究によれば、50%を超す従業員が上記の特性の少なくとも一つを持っている。それが、情熱を育成する足掛かりとなるはずだ。