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多様性が組織のパフォーマンスを高めることはいくつもの研究で証明されているにもかかわらず、米国企業の取締役会には黒人の数があまりに少ない。制度的人種差別の解消が求められるいま、この現状を見過ごすわけにはいかない。本稿では、筆者らが実施した綿密な調査に基づき、何が黒人取締役の誕生を妨げるのか、その要因が明らかにされる。また、取締役会の多様性が組織にいかなる恩恵をもたらすのか、取締役会を変革するために何をすべきかを示す。


 多様性のある職場は、創造性を高め、代替案の検討を促し、幅広い情報と視点をもたらすことにより、チームが実力を発揮することを可能にする。その恩恵は、採用と従業員の定着率にも及ぶ。

 こうしたプラス面を示す証拠は増え、企業の多様性イニシアチブも増えている。にもかかわらず、企業における黒人の昇進はあまりにも遅く、むしろ逆転している可能性さえある