サプライチェーンに迫る
変革の波

編集部(以下色文字):新型コロナウイルス感染症の影響を受け、サプライチェーンにはどのような変化が起きているのでしょうか。

樋口(以下略):サプライチェーンとは、簡単に言えば、ものをつくって、売る人から買う人に届ける仕組みを指します。新型コロナの影響で、まず売れるものが変わりました。巣ごもり需要で家電が売れたのはその一例です。一方で、人の移動が制限されたことで、買う場所や購買方法が変わりました。リアル店舗からeコマースへと利用が移ることで、物の運び方も大きく変化しました。

 さらに、その影響の大きさから、グローバルレベルのサプライチェーンが人々の生活に深く関わっていることが明らかになりました。国内の感染状況に影響を受けるだけではなく、海外の感染状況やロックダウンによって工場や物流が止まる。このように、かつてないさまざまな変化が起こったのです。