環境変化に適応する
レジリエント・カンパニーとは何か
2020年は混乱の年であった。日本国内では東京オリンピックが開催され、インバウンド需要も過去最高を更新するはずであったのに、グローバル規模で疫病が広がり、ヒト・モノ・カネの動きがこれほどまでに制限を受けることになろうとは、誰が予想できたであろうか。
一方で、まったく予期されていなかった危機により、事業環境が大きく変動したのはこれが初めてではない。過去10年余りにおいても、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、豪雨や台風といった数多くの自然災害など、そのような例は枚挙にいとまがない。個別の企業レベルで見れば、突然のアクティビスト投資家の登場、自社製品・サービスに絡むスキャンダル、大型買収案件の失敗など、企業に危機をもたらす要因は無数にあるだろう。
地政学、景気循環、そしてビジネスの趨勢に大きな影響を及ぼす可能性のあるその他多くの要素は、本質的に不確実性を有しているといえる。近年におけるグローバルのビジネス環境におけるボラティリティの高まりは、多くの企業にとってもはや「新常態」となり始めている。