
新型コロナウイルス感染症が終息するまでの間、オフィスに出社して働く人とリモートで働く人が混在する状況が続くだろう。会議の参加者に遠隔からのメンバーがいる場合、オフィスワーカーが議論を先導し、リモートワーカーは補佐役に回りがちだ。その結果、両者の溝は徐々に深まり、関係性が悪化する危険性がある。本稿では、オフィスワーカーとリモートワーカーの混合チームを上手に管理するために3つのアプローチを紹介する。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生する前、同僚と行った30分間の電話会議を筆者は忘れることができない。参加者は3人で、司会はオフィスから、筆者ともう1人は自宅から参加した。
司会がバーチャル・チームに「質問があるか」と尋ねたのは、開始から26分経ってからだった。彼はその間、我々がプロジェクトに関する意見を述べるために、電話の向こうで待ち構えているのを忘れていたかのようだった。
司会が自己中心的だったことで、筆者らが不利益をこうむっただけではない。会議の終盤になるまでバーチャルチームに会話に参加させなかったことは、彼自身にも不利益だった。
本人に悪気はなかったものの、このケースは、リモートワーカーがしばしば遭遇する典型的な問題を表していた。リモートチームが、「コア」なオフィスチームを補佐する存在になってしまうのだ。
一部のオフィスが慎重に再開し、徐々にオフィスに戻る従業員もいれば、自宅にとどまる従業員もいる中で、リーダーは新たな課題に直面している。オフィスのチームメンバーとリモートのメンバーの両方が、チームの一員として認められていると感じるようにするにはどうすべきかということだ。
対面式のミーティングやオフィスライフに戻るうえで、「オフィスの外」で働き続ける同僚を組織の一員として認め、受け入れるために、リモートワークを実践する中で学んだことをどう活かせるのだろうか。筆者のコンサルタントの経験から、効果のあったアプローチを紹介したい。