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気候変動による打撃は予想を上回るペースで加速し、社会的にも経済的にも甚大な被害をもたらしている。なかでも住宅市場に与える影響は無視できず、このまま放置すれば次なる金融危機を引き起こしかねないと、ハーバード・ビジネス・スクールのジョン・マコンバー氏は警鐘を鳴らす。政府と企業は気候変動の問題と真摯に向き合い、最悪の事態を避けるために手を打たなければならない。


 ハーバード・ビジネス・スクールのジョン・マコンバー上級講師(ファイナンス・ユニット所属)によれば、いま米国の住宅相場は崩壊の瀬戸際にあり、それが引き金となって金融危機が起きる可能性があるという。そして、そのような事態をもたらす原因は、私たちが気候変動の問題を認識し、問題と向き合おうとしないことにあると、マコンバーは指摘している。

 電話インタビュー、およびメールのやり取りを通じて、マコンバーがそのように考える理由と、そのシナリオを避けるために米国のジョー・バイデン政権が取るべき行動について話を聞いた。