
聞きたいことがあってメールを送ったにもかかわらず、返信がない。きっと忙しいのだろうと、少し待ってから再度メールを送っても音沙汰がない。だからといって、何度も催促するのも気が引ける。なぜ返事をくれないのかと憤ったり、悩んだりすることもあるだろう。だが、相手の沈黙には理由があり、それはあなたに対する拒絶反応ではないと知ることが大切である。そこで必要なのは、相手がメールの返信をしやすくするための戦略だ。本稿では、返事のない相手に繰り返しリマインダーを送るにあたって、心掛けるべきポイントを紹介する。
誰もが経験があるはずだ。少しだけ話をしたいこと、関連情報を提供してほしいこと、知り合いを紹介してほしいことをメールで依頼したにもかかわらず、相手から反応がない。同僚やクライアント、リクルーター、クラスメート、あるいは旧友であっても、あなたが期待している早さで返事をしてくれない。時には、返信がないことさえある。
あなたはいら立ち、落ち込むかもしれない。だが、返信がないからといって、相手があなたと連絡を断ちたいと思っているとは限らない。大局的な視点を持つことが大切だ。
人は重要な仕事を複数抱えていたり、プライベートでもさまざまな役割を担っていたりすることが多い。あなたのメールは、相手にとって優先順位のトップ10に入らなかっただけかもしれない。それを覚えておけば、相手の沈黙をあなた個人に対するネガティブな反応と受け止めず、リマインダーを送ってよいか躊躇することもなくなる。
それでも、フォローアップのメッセージを送るのは、やや気が引けるかもしれない。すでに1度催促のメールを送ってある場合は、なおさらだ。2度、あるいは3度、4度と相手に連絡を取る時に、心掛けるべきことを以下に紹介しよう。
説得力のある件名をつける
メールの47%は、件名で開封されるか削除されるかが決まる。研究によれば、英語の場合、件名が4語と短めの時、最も開封される確率が高い。メールの3分の2が、スマートフォンやタブレット型端末といったモバイル機器で読まれることを考えれば、もっともだろう。
たとえば、筆者のクライアントであるポールは、自分の異動について発表するコミュニケーションプランについて、同僚の承認を必要としていた。最初のメールの件名は「正式発表前のチームコミュニケーションプラン」だったが、返信はなかった。そこで、次は件名を「至急:コミュニケーションプラン」に変更してメールを再送したところ、すぐに返事が届いた。
すべてのメールが、ポールのように緊急というわけではないだろうが、件名についてはよく考える必要がある。
「フォローアップ」あるいは「チェックイン」といった一般的な表現は避けたほうがよい。漠然としているだけでなく、相手が「返事が遅い」と非難されているように感じてしまう可能性がある(それはさらに返事を遅らせる)。
そうではなく、あなたの要請を具体的に示す件名をつける。たとえば、「Xプロジェクトの次のステップ」「求人についての質問」といった具合だ。