HBR Staff/Westend61/Getty Images

新型コロナウイルス感染症の危機を乗り越えるためにコストカットが命題となり、多くの企業が商品数を大幅に削減した。この変化は、企業だけなく、顧客にも大きな恩恵をもたらした。選択肢が減ったことで滞在時間を短くでき、感染防止につながるからだ。また、店頭のオペレーションが簡略化され、従業員の生産性も向上している。企業はこの機会を逃さず、従来のやり方を根本から見直さなければならない。


 新型コロナウイルス感染症は、買い物と外食のあり方を大きく変えた。

 安全性を重視する顧客は、店舗やレストランでの滞在時間を短くしようとし、多すぎる選択肢に迷って時間を浪費したくないと考えている。小売店やレストランは、顧客の行動の変化と安全性に関わるコストの増加により、商品やメニューを減らしている。

 ニールセンのレポートによると、食料品店のSKU(最小管理単位)数は2020年3月以来、7%減少した。アイホップ、デニーズ、マクドナルド、デイブ&バスターズなど、豊富なメニューで知られるファストカジュアルレストランはメニューを大幅に縮小している。

 パンデミックは、永遠の真理を私たちに示した。顧客、従業員、投資家、そして環境のためには「少ないほうがよい」ということだ。