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米国では、黒人女性が起業する割合が、白人女性や白人男性のそれを上回っている。にもかかわらず、長期的に維持し、成熟した事業に達している比率となると、その数字は極めて小さくなる。これらの事実には、起業家エコシステムがもたらす格差とバイアスが隠されていると、筆者らは指摘する。黒人女性が起業するのは利幅の薄い分野であることが多く、資本へのアクセスが限定的であることから、起業しても利益を生み出せない悪循環に陥っているというのだ。本稿では、これらの問題に対処するために、政府機関と民間部門がいますぐ着手すべき措置について論じる。


 米国では驚異的なことに、黒人女性の17%が新たに事業を始めようとしている、あるいはすでに事業を運営している。これに対して、白人女性では10%、白人男性の場合は15%だ。

 ところが、起業段階ではこのようにリードしているにもかかわらず、成熟した事業を運営している黒人女性は3%にすぎない。