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コロナ禍を乗り切るための大胆な景気刺激策が功を奏し、米国経済は急速な景気回復を実現している。売り手市場で労働者の賃金水準が上昇する中、企業は利益を保つことができるのか。本稿では、これから起きうる4つのシナリオを描き出し、労働者、企業、政策当局のそれぞれにもたらす影響を分析する。そのうえで、ポストコロナの経済で勝者となるために、企業が何をすべきかを提示する。
米国では目覚ましい景気回復が進行し、企業経営者は早晩、これまでも繰り返されてきた問いに直面することになる。景気回復に伴い、労働者が経済産出量の増加に対する取り分をより多く要求し、賃金水準が上昇し始めると、企業の利益は縮小してしまうのか、という問いだ。
労働力の売り手市場が続くことがほぼ確実な状況の下、コロナ後の景気拡大期に労働者と企業がどのように経済産出量を分かち合うかについては、複数のシナリオが想定されうる。コロナ禍で大掛かりな景気刺激策という賭けに打って出た政策当局も、今後の方針を見出す必要がある。