HBR Staff

自社の営業プロセスを自動化し、生産性の向上や顧客満足度の改善を目指す企業は増えてきた。しかし、その明暗は大きく分かれている。セールスオートメーションに成功する企業と失敗する企業は何が違うのか。本稿では、自動化のメリットを明らかにしたうえで、セールスオートメーション戦略を効果的に策定・実行するための5つの原則を明らかにする。


 あるグローバルな家電メーカーは、収益性を高める必要に迫られて、コストの最適化、セールスの生産性向上、顧客満足度の改善を軸に、自社の事業のあり方を抜本的に見直すことにした。

 これらの目標を達成するために行ったのは、顧客と商品に関するマスターデータの管理、トラブルや苦情の処理、在庫の補充、そして値引き販売の管理を自動化することだった。また、この会社は、ウェブクローラー・ツール(ウェブ上の文書や画像や動画を自動的に収集し、データベース化するプログラム)を導入して、競合に差をつけるための情報収集を強化した。リーダー層の旗振りの下、同社はわずか3年で、こうした自動化の対象になったプロセスにかかるコストを15%削減することに成功した。