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心理的安全性の重要性が、さまざまな業界で認知され始めている。しかし、従業員が互いの弱さをさらけ出し、率直に意見を言い合える環境をつくるのは、けっして簡単なことではない。心理的安全性は、適度に健全な職場環境を用意すれば自然と高まるものではなく、コミットメントと野心が不可欠だ。本稿では、リーダーが実践すべき4つのステップを紹介する。


 ここ最近、心理的安全性についてビジネス系メディアで言及されることが非常に多くなり、その重要性はヘルスケア、IT、金融サービスなど、さまざまな業界で認識されているようだ。パンデミック以前から話題になっていた心理的安全性は、アジリティ(敏捷生)ダイバーシティ&インクルージョンリモートワークなどとの関連性から、さらに注目を浴びている。

 しかし、広く普及するに伴い誤解が生じている。ビジネスリーダーの間で見られる重大な誤解の一つが、ハラスメントがないことや労働者を怪我から守ることと同じように、適度に健全な職場環境であれば心理的安全性は存在する、というものだ。実際には、心理的に安全な職場環境は稀である。