
オンラインで商品を購入する前に、レビューを確認する人は多いだろう。企業にとって、好意的なレビューを書いてもらうことのメリットは大きい。では、そのための手段として、顧客に金銭的インセンティブを与えることは有効なのだろうか。筆者らの調査により、その効果が証明された。ただし、不祥事の隠蔽を目的とした場合は逆効果である。
報酬を受け取って商品レビューを書くとしたら、あなたは好意的なレビューを書くか、それとも否定的なレビューを書くだろうか。金銭的インセンティブは何の影響も及ぼさないと思うかもしれない。商品レビューの目的は、誠実なフィードバックを提供することなのだから。
米国の成人の93%は、オンラインで商品を購入する前にレビューを読む。これは消費者の大多数は信頼できるレビューの利点を理解し、自分も正確なレビューを書く意欲があることを示唆している。
しかし、企業が顧客に金銭を支払ってレビューを書いてもらうと、2つの重要な面でレビューに影響を及ぼす。第1に、インセンティブを与えることで、企業が受け取る可能性のあるレビューの数が増加することが先行研究で明らかになっている。第2に、筆者らの最近の研究で、インセンティブを受け取った顧客は、商品の使用経験にかかわらず好意的なレビューを書く傾向があることが示された。
インセンティブによって消費者の書くレビューが変わるのか、またどのように変わるのかを調べるために、レビューを書く顧客を対面とオンライン調査のプラットフォーム上で募集し、一連の実験を行った。
参加者の同意を得て、インセンティブを受け取る人と受け取らない人に無作為に振り分けたため、誰がレビューを書くかに影響を及ぼすことなく、インセンティブがレビューの内容に与える影響を特定することができた。