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サンクコスト効果は「コンコルドの誤謬」としても知られる。大企業の巨大プロジェクトや政府の軍事行動にも例が見られるように、過去にリソースを投資したもののすでに回収不可能であり、さらに投資を続けることは損失につながるにもかかわらず、投資を継続しようとする心理効果だ。どれだけ経験豊富なリーダーであっても、この落とし穴にはまって身動きが取れなくなることが少なくない。本稿では、サンクコスト効果の影響の受けやすさを測定する尺度を用いて、みずからの影響の受けやすさを把握することで、よりよい意思決定を行うための議論を提供する。


 あなたは、本来なら途中で断念すべきプロジェクトを、いつまでも続けたことがないだろうか。取り返しがつかないところまで悪化した人間関係を、耐え忍んだことはないか。苦労して稼いだお金でチケットを買ったのだからと、憂鬱な天気の中、重い足を引きずってイベントに参加したことはないだろうか。

 これらはいずれも「サンクコスト効果」(埋没費用効果)の例である。サンクコスト効果とは、過去にリソースを投資したもののすでに回収不可能であり、さらに投資を続けることは損失につながるにもかかわらず、何かを行ったり、継続したりする心理効果を指す。