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本連載ではこれまで、お金の流れで経営をみる具体的手法として企業価値評価について解説してきた。第5回は、企業価値の源泉となるのが事業の「成長」と「稼ぐ力」である点を理解していく。成長と稼ぐ力という視点は、戦略と企業価値を、キャッシュフローを媒介として結びつけていくものである。
成長とは、事業規模の拡大であり、たとえば売上高の増加である。また稼ぐ力とは、投下資本利益率(ROIC: Return on Invested Capital)で表され、事業への投下資本に対してその事業がどれだけの利益を生んでいるかという水準を表すものである。
将来のフリーキャッシュフローの増加
企業価値が「将来のフリーキャッシュフローを加重平均資本コスト(WACC)で割り引いた現在価値の総和」であることは、前回までで示した。
この企業価値を増加させるためには、以下の2つの方策がある(図表5-1「企業価値の創造」を参照)。