第8回は、「成長」する事業領域を獲得するためにグローバルなメガトレンドに乗る、という全社戦略の発想について、より詳細に解説する。主なメガトレンドとして、サステイナビリティ、エネルギー、食料・栄養・農業、人口増加・都市化、新興国の台頭、新興国における中間層、ヘルスケアという7つを取り上げる。これらのトレンドをうまく捉えて持続的な成長を実現できている企業とそうではない企業に分かれてしまうのは、一体なぜであろうか。

グローバルなメガトレンドとは何か

 成長する事業領域は、今後数年間という短期ではなく中長期にわたって成長が持続し、十分なキャッシュフローを生んでいくものでなくてはならない。そのようなものとして、いわゆるグローバルなメガトレンドのもとでの課題を解決していく事業領域がある。

 グローバルなメガトレンドとは、社会的または経済的な大きな潮流である。一例を挙げれば、世界の人口が2050年には100億人という大台に向かって増加していく中での都市化の進行、新興国における中間層の拡大、食料・栄養・農業への需要の増加、世界的に高齢化が進む中での製薬・ヘルスケアへの需要の増加、そして、気候変動の基での脱炭素化をはじめとするサステイナビリティの必要などである(図表8-1「グローバルなメガトレンドの例」を参照)。