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本連載も最終回を迎える。従来の日本企業では、損益計算書(PL)上の営業利益や当期利益といった期間損益や、自己資本利益率(ROE: Return on Equity)などの単年度の業績にばかり関心が偏ってきた。その背景にある問題は、「日本の経営環境の変遷からくる課題」と「企業の組織が内包する課題」「ビジネスパーソン個人における課題」の3つに整理できる。
本連載中でも指摘してきたように、いまだに多くの日本の企業や経営者は短期的な損益などの経営指標の上がり下がりや株価の動向に一喜一憂し、長期的な企業価値創造に向かうことができていない。あるいは、頭では成長や稼ぐ力の重要性が理解できていても、行動に移せていない。それはなぜか。日本独特の経営環境に起因する課題、日本企業が抱えがちな課題、また日本人ビジネスパーソンに多く見られる課題という3つに分類して、この最終回で解説しておきたい。
1. 日本の経営環境の変遷からくる課題
●「売りさえすればよい」という時代が続いてきた