Illustration by Monika Jurczyk

社内公募で優秀な従業員が当該のポストを埋めてくれるのは、組織にとって利点が多い。組織の勝手を知っているために即戦力となり、外部採用にかかるコストも圧縮できる。だが、社会公募をかければ、社内に「不採用者」が生じることは避けられない。そうなればネガティブな感情が起きるだけでなく、自分のキャリアの未来が描けなくなり、実際に会社を辞めてしまう可能性が高まるという。しかし、採用プロセスの2つの側面に注力することで、組織的に彼らの離脱を防ぎ、社内に留めることができる。


 適材を探している採用担当マネジャーにとって、社内にいる優秀な候補者の履歴書が手元に届くことほど、喜ばしい経験はないだろう。

 空席をすぐに埋めることができるうえ、社内の人材であれば、組織もその独特なやり方もわかっているため、手取り足取り指導しなくても即戦力になる。社外候補者を惹きつけるために一般的に必要とされる報酬の上乗せも、ほとんどの場合は不要だ。