
Illustration by Nata Schepy
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米国大統領選挙や新型コロナウイルス感染症のパンデミックが象徴するように、根拠のない主張や陰謀論が急速に拡散するようになり、社会に悪影響を及ぼしている。偽情報の問題はいまに始まったことではないが、ソーシャルメディアの普及で情報の拡散力が増したり、人工知能によってディープフェイクが登場したりするなど、テクノロジーの発達がこの問題を深刻化させていることは事実だ。ただし、技術進化に負の側面ばかりがあるわけではない。ブロックチェーンという新たなテクノロジーが、偽情報との戦いに勝利するうえで重要な役割を果たすことが期待されている。
偽情報――政治的・金銭的利益を目的として人々を誤解に陥らせることを意図して流される情報――は、けっして最近はじめて見られるようになったものではない。しかし、この1年間に目の当たりにしてきたように、デジタルプラットフォームの普及により、危険な陰謀論の類いを拡散させることが以前よりも極めて容易になった。
新型コロナウイルス感染症、人種差別に対する抗議活動、カリフォルニアで起きている山火事、2020年の米国大統領選挙の結果など、実にさまざまな問題に関して、明らかに誤っている主張が目を見張るほど急速に拡散し、非常に多くの人に信じられるようになっている。