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ファイザー、ビオンテック、モデルナには共通点がある。いずれも、移民が創業者あるいは共同創業者として興した企業であるという点だ。これらに限らず、移民が起業家として成功するのは大きな潮流だが、それには理由がある。出身国を出て馴染みの薄い国に移住するというリスク、さらにどのような起業もそうであるように事業が成功するかというリスク。この両者をいとわないパーソナリティが原動力になっているのだ。本稿では長期追跡研究の結果から、移民の起業家に共通するリスク志向について解説し、投資家や政策決定者が彼らの起業家精神から、どのような利益を得られるかを論じる。


 あなたが幸運にも新型コロナウイルスのワクチンを接種できているなら、感謝すべき相手はおそらく、移民の起業家になるだろう。ファイザー、ビオンテック、モデルナはいずれも、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの研究分野における先駆者であるだけでなく、創業者あるいは共同創業者が移民なのだ[注]

 そして、これらの企業を興した起業家を著名な例として、移民の起業家はいま、大きな潮流となっている。