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米国ではいまもなお、黒人と白人との間に圧倒的な経済格差が存在する。ただし、その隔たりを縮めることは可能だと筆者らは分析する。黒人が白人と同等の所得を得るには、2つのイニシアティブが欠かせない。弁護士、教師、医師をはじめとする高賃金の職業へのパイプラインにある障害を取り除くこと、そして低賃金の職業から高賃金の職業に移動できるキャリアの道筋をつくることだ。本稿では、そのためにビジネスリーダーが果たすべき役割について論じる。


 マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師は1966年、経済的安定と人種的平等は連動していると強調した。

 季節労働や一時雇用、あるいは景気循環に左右される雇用は、米国社会に対等な人間として参加するために必要な経済的安定をもたらさない。この点を際立たせることで、キング牧師は、当時の黒人労働者が一般的に得られる雇用機会が、相対的に劣悪であることに人々の目を向けさせた。