(3)独自のリテンションプログラムを開発する
離職の根本原因を特定したら、職場で最も解決困難とされる問題に対処するために、高度にカスタマイズしたプログラムを作成することができる。
たとえば、有色人種の離職率が白人の同僚に比べて高いことが明らかになった場合は、DEI、すなわちダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包摂)に焦点を絞ったアプローチが必要になるだろう。昇進までの期間と離職率の高さに強い相関関係が見つかった場合には、昇進に関する方針を見直す時期かもしれない。
重要なのは、このプロセスの中で、有効なデータインフラの欠如が、データに基き判断する能力を妨げている点に気づくことだ。
対象を絞った介入措置を実行する前には、ある高レベルな対応が必要になるかもしれない。それは、リテンションの取り組みに役立つ指標を追跡・分析するための、体系的でユーザーフレンドリーなシステムに投資することである。
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真にデータドリブンのリテンション戦略を採用することは簡単ではないが、とりわけ現在の市場においては、それを正しく行う努力をする価値がある。
筆者が協働した運送会社では、主要指標の詳細な分析に基づいて、対象を絞ったリテンションの取り組みを実施した結果、他社との激しい競争の中にあっても、ドライバーの退職を10%減少させることができた。
離職の問題がもたらす深刻な現実とその根本原因を明確化することで、優秀な人材を惹きつけ、離職コストを削減し、結果としてエンゲージメントと効率性が高い労働力を構築することができる。
"Who Is Driving the Great Resignation?" HBR.org, September 15, 2021.