従業員の役割を変える5つのポイント

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックのように、状況を激変させ深い傷を残すような事態は、新たな条件で家族、友人、同僚、そして自分自身とつながり直すチャンスである。企業にとって、この瞬間は、従業員が顧客に対して果たすべき役割を再考する機会になる。

 パンデミック以前も、テクノロジーのおかげで企業と顧客とのやり取りはどんどん自動化されつつあったことから、直感的に雇用削減の方法を探るマネジャーは多いだろう。事実、前回世界を大きく揺さぶった事象、すなわち2008年の景気後退では、企業は従業員を減らしても何とか対応できることに気づいたために、経済学者が「雇用なき景気回復」と称する状況が生じた。

 今回、そのアプローチを取るのは間違いだ。もちろん、効率性の面から一定の職を削ることはあるだろう。しかしほとんどのマネジャーは、従業員の削減ではなく、彼らの能力を向上させることに焦点を合わせるべきだ。それは、重要な瞬間に顧客とより深く、より有意義なつながりを持つことで、いちだんと大きな価値を発揮できるように職務内容を変えることである。