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企業のイノベーションや問題解決には多様なアイデアが欠かせないことから、マネジャーは従業員に積極的に意見を述べてほしいと思っている。だが、その重要性を理解しても、行動に結びついていないのが現状だ。消極的なのは従業員の性格のせいだと決めつけがちだが、重要なのは「選択」という概念だと筆者らは主張する。「常に選択肢がある」という考え方が組織に浸透していると、自分は周囲の世界に影響を与えることができるという感覚をもたらし、自信につながるというのだ。本稿では一連の実験結果に基づき、従業員が自由に意見を述べることができる企業文化を醸成するために、なぜ選択の概念が重要かを論じる。
ヴァージン・グループの創業者で、傘下の投資会社ヴァージン・エンタプライジズのCEOでもあるリチャード・ブランソンの有名な言葉がある。「選択は人に権限と自信を与え、仕事の充実度を高める」。ヴァージン・エンタープライジズは、従業員のアイデアや意見を聞くことでも知られている。
2015年、中長距離列車を運行していたヴァージン・トレインズの現場職員、べサン・パットフィールドは、ブリン・ウィリアムズという有名なシェフが、ロンドンの往復にヴァージン・トレインズを定期的に利用していることに気づいた。