Illustration by Simo Liu

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが収束の兆しを見せ始める中、コロナ禍で転職を控えていた従業員たちが大量に離職する「大退職時代」(グレート・レジグネーション)の到来が予見されている。この最悪の事態を防ぐうえで、企業に何ができるのか。科学的に有効性が証明されている手段の一つが、従業員エンゲージメントを高めることである。本稿では、企業の取り組みが必ずしも効果を発揮していない現実を示し、従業員エンゲージメントを高める3つの方法を具体的に紹介する。


 世界が新型コロナウイルス感染症からの回復に向けてつまずきながら進む中、専門家らは「大退職時代」(グレート・レジグネーション)と呼ばれる従業員の自発的な離職の急増を警告している。

 たとえば、ある調査によると、2021年8月時点で就業している人の55%が、今後12カ月以内に新しい仕事を探す意向だという。迫り来る離職の波に対処するため、企業はこれまで以上に従業員エンゲージメントの向上に注力する必要がある。