HBR Staff

グローバル化やデジタル化が進む中、消費者はこれまで以上に、自分にまつわる場所や人や過去とのつながりを感じさせる商品を求めている。新型コロナウイルス感染症のパンデミックで生活が激変したことで、地に足のついた感覚を求める傾向が加速しているからだ。マーケターは消費者の感情的な変化を的確に捉えて、自社ブランドの特徴を戦略的に訴求すべきである。


 現在の市場トレンドを見ると、多くの消費者は次のような商品を求めているようだ。地域に根差し、生身の人間によってつくられた、伝統的なもの――あるいは少なくとも、顧客に子どもの頃を思い出させるものである。

 これは食品業界にも見られ、農産物の直売所の増加、職人が焼いたパンの需要の高まり、地産地消ブーム、新型コロナウイルス感染症のパンデミック期間における伝統的な食品ブランドへの回帰といった形で現れている。