●転職活動を継続する
面接が本当にうまくいかなかったかどうか、自分では知りようがない。そのためオファーを受けるまでは、仕事探しをやめてはいけない。別の興味深い仕事に応募すれば、自分が失敗したせいで「最高の仕事」を手に入れることができなかったのではないかと、くよくよ考えずに済む。
さらに、他の会社の面接を受けることは想定される質問に答える練習になり、回答の内容を磨く機会にもなる。最後に、転職活動を続けることで、自分は新たな仕事を探すという道を積極的に前進していると感じられ、不採用の通知が届いたとしても、他の選択肢があると思えればつらさも半減するだろう。
●次の面接に集中する
面接が完璧でなかったとしても、それらはすべて次の応募先や面接への備えになる。1回目できちんと答えられなかった質問だけでなく、回答に悩むかもしれない新たな質問に対しても、それまでの反省点を活かして準備をしよう。
質問に対しては常に正面から答えるのがベストだが、どうしても答えられない場合は「わからない」と言ってかまわない。ただし、そのように答えた後はフォローアップとして、経験がなかった仕事でも工夫して成功させてきた経験を話すとよいだろう。
情熱とありのままの自分を見せることは、そのものずばりの経験に勝ることが多い。あなたのスキルセットでそれ以上の価値をもたらせること、そして会社の文化にすんなりと溶け込めることを示せるのであれば、なおさらだ。
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筆者は、次に面接を受けた企業の担当者から「ビジネスユニットを拡大する場合、組織設計にどのように取り組むか」と聞かれたが、自分はHR領域にキャリアチェンジしようとしているところで、実際に組織設計に携わった経験もなく、どう答えたらよいかわからなかった。それでも、自分が回答した内容には自信を持っていた。
自分が新しい職務に就いたとして、前職のやり方をそのまま持ち込むのではなく、いかなるビジネス上の問題に対しても好奇心を持って耳を傾け、ビジネスニーズを理解することにより解決策を導き出すのだと、筆者は説明した。やり方がわからない時には、元調査報道記者としてのスキルを活かして、1つの答えでなく多くの可能性を探ること。先に進む前にあらゆる選択肢を検討することをいとわない自分は、他の人よりも鋭敏であると答えたのだった。
遠回しな回答だったが、筆者はその会社からオファーを受けて、仕事に就くことになった。入社してからは数多くの組織設計に携わり、リーダーを支えた。後になって、あの時の答えはけっして完璧ではなかったが、ふさわしいものだったと気づいたのだ。
"So You Botched a Job Interview. What's Next?" HBR.org, December 14, 2021.