●やりやすくしよう

 ジェームズ・クリアーは著書『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』で、新しく身に付けたい習慣は明快かつ魅力的で、やりやすく、満足できるものにすべきだと強調している。そして、新しい習慣はできるだけ抵抗なく実行できるものを勧めている。

 あなた自身の抱負を達成するための新しい習慣とは、たとえば健康によい食品しか家に持ち込まないとか、商品は現金で買うとか、気を散らすようなアプリにアクセスしにくくする、またはアクセスできないようブロック機能のあるアプリをスマートフォンに入れるといったものになるだろう。

 手に入れたいと思っている人生に至る道からは、あらゆる摩擦を取り除く努力をしよう。逆に、やめたいと思っていることに対しては、可能な限り摩擦を増やす方法を考えてほしい。

 ●進捗状況を確認しよう

 慌ただしく過ぎていく日常生活では、進捗状況を確認していないと、真剣に取り組もうという気持ちが失われやすい。お勧めしたいのは、抱負に関連した行動を書き留める場所を決め、毎日の行動を記録することだ。

 スケジュール帳に書くのもいいし、カレンダーに記録したり、習慣化アプリを利用したり、アカウンタビリティパートナーと記録を共有したりするといった方法もある。

 たとえば筆者は、健康関連の抱負の進捗状況を確認するために、アカウンタビリティパートナーとオンライン文書を共有している(サポートの重要性は以下を参照)。一番上には、最初の状態と最初の目標が記され、その下に、抱負を達成するために実行する毎日の習慣の一覧表がある。

 毎朝、仕事を始める前に、一覧表をコピー・アンド・ペーストして、最上部の日付を修正し、それまでに実行したことを入力して、一日を通して最新の状況に更新する。そしてベッドに向かう前に最終チェックを行い、寝る前にできるだけ多くをやり遂げるようにしている。アカウンタビリティパートナーは筆者の文書に励ましのコメントをつけ、筆者もパートナーの文書の中で彼の目標について励ましのコメントを入れる。

 このように文書化することで、ただ自分の頭の中にすべてしまっておくよりも、はるかに集中できるし一貫性を保つことができる。

 ●サポートしてもらおう

 1年にわたり年初に立てた抱負に取り組む中で、熱意が薄れてしまうことはよくある。正しいとわかっていることをどうしてもやりたくない時は、自分を気にかけてくれる存在が大きな助けとなる。

 友人や同僚、あるいは上司、コーチ、メンターなど、あなたの様子を常にチェックし、適切なフィードバックを与えてくれ、抱負の達成に向かう行動に励んでいることをほめてくれる人を選ぼう。

 オハイオ州立大学の研究によると、サポートしてくれる人をあなたが尊敬している場合、より大きな成果が期待できる。また、向上を目指す領域に特化したサポートグループに入るのもよい。同じ方向に向かい努力している人がほかにもいると知ることで、あなたも頑張れるだろう。

 あなたが新年の抱負を貫徹できるかどうか、筆者には保証できない。優先事項を判断して人生を選択できるのは、あなたしかいないのだから。しかし、本稿で述べたステップを踏めば、成功する確率が格段に上がることは保証できる。

 どんな時でも、よい方向へと変わっていける希望はある。いまから始まる1年、まわりの世界で何が起きようとも、あなたがなりたい自分になるために行動を重ねるチャンスを活かそう。


"Should You Even Bother with New Year's Resolutions This Year?" HBR.org, December 22, 2021.