●意欲を判断しよう

 抱負を立てるプロセスにおいて、最初の、そして最も重要だと思われるステップは、自分自身がこれまでとは違う選択をしたいと本当に望んでいるかを判断することだ。「ソーシャルメディアに費やす時間を減らしたい」というのが本心ではないのなら、それを抱負とすべきではない。

 あなたにとって本当に意味があり、また確固たる「理由」のある抱負を選ぼう。たとえば、もっと体力をつけたい、子どもたちの動きについていけるようにしたい、結婚式でかっこいい姿や美しい姿を見せたいという理由があれば、本気で痩せようと思うだろう。

 説得力のある理由があれば、疲れた時、やる気が出ない時、単に楽をしたくなった時でも、粘り強く決意を貫くことができる。

 ●抱負は1つか2つに絞ろう

 抱負とは一般に、短期的に見ればあったほうがよいというレベルのものだ。達成できなかったからといって、すぐに影響が出るわけではない。しかし長期的には、タバコをやめたり出費を減らしたりすることで、生活の質は向上する。

 悪影響はたいていすぐに表面化しないため、このような目標は「おまけ」のように見なされがちだ。ほとんどの人はたくさんのおまけに多くの時間やエネルギーを注ぐ余裕はない。そのため、抱負は1つか2つにするほうが成功する確率が高くなる。

「Goals Gone Wild: The Systematic Side Effects of Over-Prescribing Goal Setting」(荒れ狂う目標:過剰な目標設定の全身性副作用)という研究論文によれば、たとえ複数の目標があっても、結局は1つにだけ力を注ぐ可能性が高いという結果が出ている。それゆえ最初から1つに絞ることをお勧めする。

 1つの抱負、せめて1つの領域に絞って集中するほうが、忘れないし、実行しやすい。体重を減らすという1つの目標のもとであれば、運動する時間をつくり、健康によい食べ物を選ぶことができる。

 ●具体的な行動にしよう

 筆者は拙著The 3 Secrets to Effective Time Investment(未訳)で、「行動ベースの優先事項」を明確にすることの重要性を述べた。つまり、概念としての優先事項(ここでは抱負)を、カレンダーに書き込めるような実際の行動に置き換えるのだ。

 たとえば、友人や家族と過ごす時間を増やそうと決意したら、友人と会う時間として月2回、金曜の夜の時間を確保する、家族との夕食に間に合うよう退社するために午後5時30分以降は仕事の予定を入れない、配偶者との時間を大切にするために夜は一定の時間がきたらPCから離れるといった具合だ。

 体調を整えようと決意したら、健康によい食品を常備するためスーパーに買い物に行く曜日と時間をカレンダーに書き込んだり、運動するために毎週の具体的な日付と時間を決めたりしよう。

 新年の抱負に沿った行動を選び、それを実行するスケジュールをあらかじめ決めておくと持続しやすくなる。