
HBR Staff/ryasick/Getty Images
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サプライチェーンマネジメントにはさまざまな課題がつきまとう。パイオニアとして知られるウォルマートも例外ではない。運送業者によるインボイス作成から支払いプロセスに至るまで、データに膨大な不一致が生じ手作業で照合していたので、莫大な時間とコストがかかっていた。ウォルマート・カナダが解決策として採用したのが、ブロックチェーン導入によるプロセスの自動化だ。本稿では、同社の事例を紹介し、その経験から学べる教訓を論じる。
ウォルマートは長年にわたり、サプライチェーンマネジメントの先進企業として知られている。しかし、同社のように強靭な体制を構築していても、運送業界を古くから悩ませ続けた問題から逃れることはできなかった。運送会社によるインボイス(適格請求書)作成とその支払いに関するプロセスでデータに膨大な不一致が生じ、その照合に莫大なコストがかかることで、運送業者への支払いが大幅に遅れていた。
そこで、ウォルマート・カナダは新たな解決策を編み出した。分散型台帳技術のブロックチェーンを活用し、サードパーティである運送業者70社からのインボイスの受領と運送費の支払いの管理を自動化しようと考えたのだ。