●「飛行機を操縦しながら飛行機を造っている」
人道危機の対策に携わっている友人(実際にこんなことをしたらどうなるかよくわかっている)が、いら立たせるこの言葉を挙げた。「そんなことをすれば、飛行機は墜落してしまう!」と彼は言う。
この比喩を会議で頻繁に聞いたことがある人は大勢いるだろう。しかし、これを言う人は実際のところ、その取り組みに対して何が言いたいのか。あまりにスピードが速いため、私たちがその欠陥を理解したり、疑問視したりすることができないというのか。場当たり的な行動の言い訳をしているのか。
そうでないならば、より具体的に、自分がプロジェクトのどの部分を把握し、何に取り掛かっていて、何がまだわかっていなくて、理解したことに基づきどのように調整しようとしているのかを、明確に述べるべきだ。
●「会議の後で個別に話しましょう」
「会議の後で個別に」(オフライン)がいつ、どのように行われるのかを明確かつ迅速に伝えなければ、この言葉は人のアイデアを却下し、いつまでも先送りしているだけの戯言だ。また、意義のあるフォローアップは「オンライン」で行われる可能性が高いため、この言い回しはもはや意味をなさない。「この会議の範疇を超えた重要なトピックです。会議が終わったらメールします」などと言おう。
●「あなたの人生の10分をお返しします」
最後に、冒頭のこの言葉を挙げたい。私が二度と聞きたくない言葉だからだ。早く終わる会議に反対しているのではない。会議の構成も進行もよく、驚くほど簡潔なら、協働の成果をたたえ、次の会議に期待すべきだ。
チームメイトに、貴重な「彼らの人生の数分を返す」と次に言いたくなったら、代わりにこう言ってほしい。「皆さんがとても生産的だったので、10分早く終わりました。ご参加ありがとうございます。よい一日を」。このシンプルな言い換えは、仕事に対する見方を変える力がある。
"Please Stop Using These Phrases in Meetings," HBR.org, January 11, 2022.